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放浪記 マニラ スラム・ツアーに参加してきました

放浪記 マニラ スラム・ツアーに参加してきました

はじめに

先日、フィリピンのマニラに行ってきました。
その際に、Smokey Toursという団体が運営する、スラム・ツアーというものに参加してきましたので、そちらについてご紹介します。ツアーは、写真撮影禁止でしたので、ツアーの状況をお見せすることができないのが残念です。

スラム・ツアーは、東南アジア最大のスラム街といわれるトンド地区を見学するツアーです。以前は、スモーキー・マウンテン・ツアーという名前だったそうですが、2014年6月に、スモーキー・マウンテン が政府によって閉鎖され、その後、これに代わってスラム・ツアーになったそうです。

 

トンド地区とは?

トンド地区については、何度かテレビ番組で見たことがありますが、今年「クレイジー・ジャーニー」という番組で、丸山ゴンザレスという方が、トンド 地区に入り、そこの住民で自分の臓器を売ったという人にインタビューをしているのを見て衝撃を受け、すごく印象に残っていました。

Wikipeiaなどで調べると、マニラに存在する世界有数の人口密集地帯で、東南アジア最大のスラム街と言われています。面積は、9.1km2で、人口密度は、東京の10倍以上です。

スモーキー・マウンテンの閉鎖など、この地区は時代とともに移り変わりが早いので、最新情報など詳しくは、Wikipediaなど下記のサイトで見ていただければ、よくわかると思います。

トンド(wikipedia)

地図から消されたスラム街「スモーキー・マウンテン」(NAVERまとめ)

スモーキー・マウンテン(wikipedia)

スモーキーマウンテン地区支援チームFIT

 

Smokey Tours について

Smokey Tours という団体は、スラム・ツアーなど、幾つかのツアーを運営する一方で、スラムで暮らす子供達に勉強を教えたり、社会生活のトレーニングを行なったりしているようです。

詳しくは、こちらのSmokey Toursのサイトをご覧いただければ、よくわかると思いまいます。

また、彼らの運営するツアーは、トリップアドバイザーでも非常に高い評価を得ています。

ツアーの申し込みは、Smokey Tours のサイトから行えます。申し込み後は、メールのやり取りで日程を決めていく感じです。



 

待ち合わせ、Smokey Toursとの対面

ツアー当日、待ち合わせは、マニラのタユマン駅の近くのジョリビーに午前9時でした。タユマンは、イントラムロスの近くにある駅です。

集合時間の少し前に行くと、ガイドの方と、今回ツアーに参加する欧米人のカップルがすでに来ていました。カップルは、スイス人とドイツ人の青年でした。ガイドの方は、よくしゃべるフィリピン人のおばさんでした。英語が非常に堪能です。

今回、もう一組参加するはずでしたが、15分待っても来なかったので、欧米人カップルと、私たちの2組が参加メンバーでした。

時間になると、ガイドさんがツアーのスケジュールと注意事項を、早口の英語で説明します。私は半分ぐらいしか聞き取れなかったですが、事前に Smokey Tours のサイトでFAQに目を通していたので、注意事項は大体頭に入っています。

この時に、参加料750ペソを支払いました。日本円にして、2,000円弱ですが、かなり安いですねぇ。今でも思いますが、6,000円とか8,000円でも、全然妥当な金額だと思います。

説明を終え、ツアーに出発しました。ここからジプニーに乗って、最初の現場の市場に向かいます。10分ほどで市場に到着しました。

 

市場

最初は、現地の人が利用する市場に行きます。大きな体育館のような建物の中に、小さいお店がギッシり詰まっていました。若干薄暗い感じでした。現地の野菜や肉、魚などが売っています。東南アジアの現地の市場という感じで、特に珍しいという感じはしませんでしたが、ビニール袋に入った血がたくさん吊るされていたのは、少し驚きました。ガイドさんの説明によると、これは豚の血で、料理に入れるとまろやかになるらしいです。

市場の一角には、屋台のような食事をするスペースもあり、現地の人がラーメンのようなものを食べていました。

市場を抜けて、外に出ると、バスケットコートがありました。たくさんの人がバスケットをしたり、見物したりしています。バスケットは、フィリピンで最も人気のあるスポーツらしいです。確か日本はフィリピンより弱かったと思います。

 

スカベンジャー

バスケットコートを抜けると、川沿いの通路に出ました。川にはペットボトルなどたくさんのゴミが浮かんでいて、水は完全に濁っており、生ゴミのような臭いがしました。

ここで、ガイドさんが説明を始めました。スラムで生活する人たちは、ゴミを集めてリサイクル業者に売って、生活費にしているようです。彼らをスカベンジャーと呼ぶらしいです。この川に浮かぶ、プラスチックゴミや、底に沈む、金属も彼らが拾うそうです。金属は、比較的、高く売れるということで、信じられませんでしたが、この濁って異臭のする川も、彼らは果敢に潜るそうです。

ちょうど、説明をしてもらっている最中に、一人の少年が、板をボートのようにして、川に浮かぶゴミを物色していました。手には、オールの代わりに発泡スチロールの板を持っていました。彼のボートが小さくて、今にもバランスを崩して落ちるのではないかと、心配になりました。

川沿いの通路を我々は進んでいきました。通路沿いに住居があり、闘鶏用の鳥や、馬や、集まってギャンブルをする男たちがいました。また、この場所とは不釣合いに思いましたが、数台のパソコンが並んでいて、子供達が、ネットゲームで遊んだり、Youtubeで動画を見たりしていました。ガイドさんによると、この辺りは、WiFiが利用でき、これらのパソコンは、コインを入れることで数分間利用できるようでした。

 

橋の下の住居

しばらく進むと、この川にかかる橋に出ました。橋の下に、小さい小屋がたくさんあり、ここにも、人が生活しているようでした。ここで、ガイドさんが説明を始めました。彼らの生活に必要な、電気や、水についての説明だったと思いますが、ちょっと聞き取れませんでした。ただ、わかったのは、スラムに住む人たちの、死因で最も多いのは、餓死ではないということでした。肌のアレルギーから病気になって死ぬのが一番多いらしいです。空気も水も悪い環境で生活し、薬を買うこともできず、アレルギーが悪化して死んでしまうらしいです。

この橋から、トンド地区へ移動します。移動は、トライシクルを利用します。4人が詰め詰めに、客席に乗り、欧米人カップルの彼氏がバイクの後ろに乗りました。数分で、トンドに到着しました。

 

トンド地区ハッピーランド

トンドについたら、ハッピーランドの入り口付近で、リサイクルの作業をしている人たちがいました。ここで集めたゴミを分別して、トラックで運んでいくようです。

ハッピーランドの中に入っていきます。住居がたくさんありましたが、道にはゴミが山のように置かれていました。フィリピン全体的にそうですが、ここにも子供がたくさんいます。外国人がめずらしいのか、我々の周りに集まってきて、笑顔で話しかけてきたり、ハイタッチをしてきたりします。

リサイクル食品
しばらく歩いて、軒先きで、食べ物を調理して販売している家の前に来ました。ガイドさんが説明します。彼らが調理しているのはパグパグと呼ばれるもので、ジョリビーやイナサルなどのレストランの残飯を、洗浄して再度調理したものです。これを販売しているようでした。ちょっと信じがたいですが、ガイドさんは、全然問題ないと言っていました。うーん、衛生的に大丈夫なのかと思いますが、ここに住む人たちは、これを食べているんだそうです。

顔面を怪我した少年
しばらく歩くと、家の前で洗濯をしているおばさんがいました。そして、その横に顔面が傷だらけの5歳ぐらいの少年が座っていました。ガイドさんが、彼はどうしたのか?と聞くと、車にはねられたそうでした。車には外国人が乗っていて、倒れている少年を助けようともせず、去って行ったのだそうです。
普通なら病院に行って治療してもらうべきですが、お金もないので、どうすることもできないということでした。

ニンニクを洗う女性達
また、別の場所では複数の女性がたくさんのニンニクを水で洗っていました。どこから持ってきたニンニクなのか、説明してもらったのですが、聞き取れませんでした。ここでニンニク洗って袋に詰めて、業者に売るのだそうです。大きな袋が一つで、50ペソということだったと思います。

この町のいたるところで、こういうリサイクルの作業をしている人たちがいました。男も女も、ここの人たちは、貧しいけど、真面目に働いていてます。

ミーティング
ハッピーランドの中を歩き回った後、我々は、町の一角にあるプレハブ小屋に入りました。ここは、Smokey Toursの事務所のような感じで、町の公民館のといったところだと思います。椅子やテーブルがあり、ここでガイドさんたちが、ここに住む子供達に勉強を教えているのだと思います。これも説明があったのですが、詳しく聞き取れなかったので、曖昧ですいません。この部屋でガイドさんから渡された、アンケートに答え、このツアーの感想などをお互いに語りありました。

 

まとめ

このツアーは、私にとって貴重な体験になりました。トンドは、危険なところと聞いていたので、行くまでは、正直、肝試しのような気持ちもありました。

もちろん、危険なところではあると思いますが、行ってみると、少し印象が変わりました。

マニラには物乞いをする人、スリをする人たちがたくさんいます。道端には生きる気力をなくしたような人たちもたくさんいます。しかしハッピーランドの人たちは貧しくても、健気に生きて居ました。フィリピン人は、まじめに働かないと聞いていましたが、ここの人は、よく働いていました。

フィリピンに何度か来ると、この国には貧困の問題があることを感じます。他の東南アジアの国にも貧困の問題はあると思いますが、フィリピンの貧困問題は、なにか絶望的な気がします。原因は、よくわかりませんが、噂で聞くのは、一部の華僑が富のほとんどを独り占めしているとか、公務員の腐敗が蔓延しているとかです。今回のツアーに参加したことで、フィリピンの貧困の問題について、もう少し考えてみたいと思うようになりました。

 

こちらは、フィリピンの絶望的な貧困問題を背景に、ある家族が貧困から抜け出そうともがく姿を描いた映画です。

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